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アイ・ドラゴン4の可能性

アイ・ドラゴン4の可能性

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最終更新日 2021年11月25日

手話と字幕の番組「目で聴くテレビ」の専用受信機「アイ・ドラゴン4」。
機能の充実や品質改善をかさね、多くの視聴者のみなさまにご愛顧いただいています。
いま販売開始以来約20年になる「アイ・ドラゴン4」の新しい可能性について、
「ぜひお話したいことがあります」というのは、アステム アイ・ドラゴン担当の西田です。

「アイ・ドラゴン」て、「目で聴くテレビ」見るための機械でしょう?
聴覚に障害のある方、専用だよね? 
なにか、新しい機能がついたの?
ー とおっしゃる方、どうぞしばしおつきあいください。


番組視聴の端末から生まれたもう一つの可能性

「アイ・ドラゴン」はこれまで聴覚障害者向けの手話と字幕の番組「目で聴くテレビ」の専用受信機器として製造・販売してきて、それが最近になって使い方が多様化っていうか、新しい可能性が出てきたと聞いてます。具体的な取り組みなどについて教えてください

アイ・ドラゴン担当 西田

西田
「アイ・ドラゴン」ていう機器はそもそも聴覚障害者向けの情報保障という側面と、情報発信という側面と両面あると思っていて。
福祉機器として約20年間販売してきたんだけど、最近個人のお客様が使用するというだけじゃなく「福祉避難所においてほしい」という動きが広がっているんです
「福祉避難所」は、高齢者や障害者、乳幼児など配慮を必要とするひとの滞在を想定している避難所のことですよね
西田
最近だと向日市(京都府)で地域の聴覚障害のある方が避難所に「(アイ・ドラゴンを)設置してほしい」「必要なんだ」って要望してくださったんです。声をあげてくださった。
向日市で手話言語条例が制定されたということもあって、福祉避難所にアイ・ドラゴンを設置していただくことになりました。いま全国的に注目されているんです
東広島市にも設置されていると聞きました
西田
2010年頃、国の「住民生活に光をそそぐ交付金」というのがあってこれを活用して、ここも地元の聴覚障害者協会さんが要望してくれたんです。聴覚障害者がいちばん避難しやすいところを選択して、ニーズの高い避難所を指摘して設置を要求したんです。前の「アイ・ドラゴン3」のときに設置して、「アイ・ドラゴン4」になっても設置してくださってます。厚生労働省からも視察があったと聞きました
必要な方がご自分の要求に基づいて声をあげてくださっているのが重要ですよね。防災面での情報伝達ツールとして、「アイ・ドラゴン4」の新たな役割が見出されていると

「アイ・ドラゴン4」− 岩手大学との連携で“社会インフラ”へ一歩 −

西田
「アイ・ドラゴン4」はインターネットで24時間いつでも手話動画が視聴ができます。アーカイブ映像のカテゴリーに「防災」があって、防災に関する手話や国土交通省が作成されたくまモンが解説する「防災ビデオ」、防災学習として使ってもらえる魅力のあるコンテンツもたくさんそろってきました。聴覚障害者だけではなく、誰にも役に立つという面も注目されているんです
毎年台風とか地震とか災害が続いていますもんね。そういう意味でも、ニーズが高まっているのかもしれませんね。それともう少し発展したお話があるとか
西田
岩手大学の先生からメールが来たんです。「アイ・ドラゴンっていったいなんですか」って(笑)。インターネットを使って情報保障・情報発信する機械、と話したんですが、岩手大学で取り組んでいるテレビコントローラーと「アイ・ドラゴン4」を連携させて、情報が届きにくい地域に緊急災害情報を届けられないかと。緊急速報を受信したらフラッシュライトで自動的に光らせるとか、テレビを自動的に起動させるとか。
2021年10月6日には、J-ALERTの全国一斉情報伝達試験があったので、そこにあわせて実験をしに岩手までいきました。「アイ・ドラゴン4」と連携させて、岩手県聴覚障害者協会さんのご協力も得ながら実験したんですけど、無事テレビがつきました。手に汗にぎる実験でしたよ

岩手の聴覚障害者協会での実験の模様

聞こえないひとに役立つことは、聞こえるひとにも役に立つ

それが実現できると、電波が届きにくいところにお住まいの方にも緊急情報が届くんですよね。フラッシュライトがついたりテレビが自動につく。
聞こえない方はもちろんだけど、聞こえる方にとっても高齢者の方など、とても必要とされる機能ですよね。これまでは聴覚障害者のみだったけど、一気に対象者が広がるんじゃないですか
西田
そうですよね。防災に必要な社会的インフラ、しかもひとの命を守るセーフティ・ネットに「アイ・ドラゴン4」もなれる可能性があると思ってます。「聞こえないひとに役に立つことは、聞こえるひとにも役に立つ」といえるでしょう
ほんとにそうですね。最初は聞こえない人向けだった機能も、聞こえるひとが便利に活用してもいい。最近のApplewatchは片手で動かせるんですよ。もともとは上肢に障害がある方向けの機能なんですが、
荷物をもってて片手がふさがってるときとか、手袋をしているときなんかにもすごく便利。
アステムでも聴覚障害のある方にわかるようにと字幕をつけたりすることも多いですが、動画サイトなどでも、字幕がある動画がない動画に比べて、
視聴維持率が高かったりクリックなどのアクション率が高かったりするそうです
西田
字幕はそうですよね、聞こえない人だけのものじゃない。ぼくも電車のなかでよく見てます。あとドラマとか、つぶやくようなシーンで何をいってるのかよくわからないとき、字幕で理解が深まることがありますね。やっぱり、「聞こえないひとに役に立つことは、聞こえるひとにも役に立つ」って、ほんとだな
アクセシビリティってそういうことですよね。特定の限定的な対象者のため、というより、いっそう幅広い層を対象にするというか。どんどん広がってほしいですよね
西田
もっともっと「アイ・ドラゴン4」を知っていただけるよう、がんばります!
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