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「やさしい日本語の多文化防災フェス」:レアーなイベントに参加しました

「やさしい日本語の多文化防災フェス」:レアーなイベントに参加しました

bay

最終更新日 2023年6月27日

はじめに

初めまして! 広報部の「ベイ」と申します!

「ああ、その名前は、なんか日本人っぽくない」と思っている方がいらっしゃるかもしれません。正解です!現在、弊社で(私を含めて)3人の外国人社員が勤めています。 1年半ぐらい前アメリカから来日して大阪府大東市に住んできた「ベイ (英語でBay)」です。よろしくお願いします。 最近の仕事と言えば、パンフレット・資料の英訳作業が多いですが、オウンドメディアにも定期的に記事をアップさせていただきます。

さて、今日の記事のメインポイントへ進んでいきましょう。

多文化共生、防災、「やさしい日本語」と男女共同参画?

6月27日、滝沢さんと一緒に、クレオ大阪(大阪市男女共同参画センター)で開催された「やさしい日本語の多文化防災フェス」 (クレオ大阪の記事はこちら)に参加しました。最初は、クレオ大阪の独立したイベントであると思っていましたが、スタッフの花岡さんが丁寧に説明してくださいました。

▼花岡さんとの写真(中央:ベイ、右:滝沢さん)

毎年6月23日から29日までは「男女共同参画週間」で、その期間中に「わくわくサンデー」という気軽に遊べる、学べるイベントが開催されます。今回のイベントでは、地元の人たちが手作りした商品や工芸品(ジュエリー、スパイスミックス、有機野菜など)を販売する屋台やワークショップ(ソープ作り、ウクレレレッスン)、小さな子どもたちが親と一緒に遊んだり本を読んだりする場所など、さまざまなイベントがありました。

▼わくわくデイ写真 

私が参加した「やさしい日本語の多文化防災フェス」は 公益財団法人 太平洋人材交流センターPREXの上本町SDGs大学事業の共催で開催されたワークショップの1つです。災害対策だけでなく、SDGsや多文化共生も、男女共同参画の企画もあって貴重な機会でした。

多文化防災はどんなこと?「やさしい日本語」はどんなこと?

講師について

講師は、防災士であり、自然資源の保護や子育てを通じた地域連携などを推進するウェブサイトプロジェクト「ママコミュ!ドットコム」の代表である出水 真由美さんでした(出水先生だけではなく、旦那さんと息子さんも防災士です!講座中に、息子さんは携帯トイレの説明をしてくださいました)。

また、大阪の国際交流センターで働いていたことで、多文化共生や文化交流についての知見を得て、6/27の講座に活かしたそうです。パワーポイントスライドショー、アクティビティ、出席者との交流を通して、災害への備えと、それが文化にどのように影響されるかについて、徹底的に説明してくださいました。

▼先生との写真(左:ベイ) 

やさしい日本語

イベントの冒頭、出水さんの「やさしい日本語」の説明がとても印象的でした。「やさしい日本語」の2つのポイントは、自分の意思を明確にわかりやすく表現するとともに「思いやりのある」日本語を使うことです。この点は、「やさしい日本語」を語る上で見落とされがちなポイントだと思うので、彼女が指摘してくれたのは嬉しかったです。

▼やさしい日本語スライド

アクティビティで新しい考え方を発見する。

続いて、「日本に限らず、災害にはどんなものがあるか」を参加者に聞いた後、「経験したことがある人はいますか?」。参加者からは「地震」や「台風」など、日本で頻繁に起こる災害のほか、「竜巻」や「火山の噴火」など、あまり発生していない災害も多く挙げられました。来日する前に地震を経験したことがない外国人の参加者もいました。ドイツからの参加者は塩水氾濫の災害について話してくれ、とても勉強になりました(日本でかなり珍しい「竜巻」は、自分の出身のオハイオ州ではたまにある気象現象です。竜巻警告用サイレンがあって、住んでいたカウンティーでは、毎月の最初の水曜日、12時はサイレンテストでした。大雨の時はよく鳴っていました)。

最近の日本の災害というと、経験したことのあるものや、他の県

で起きたことを聞いたことがあるものに手が挙がり、イベントファシリテーターの助けを借りて、最近の日本の災害のリストが季節・月別にホワイトボードに書き込まれました。

▼ホワイトボードの写真

その後、災害用リュックに入れるべき大切なものを個人的な意見と考え方に応じてランキング形式で発表しました。ほかの出席者の意見を聞きながら、自分に必要なもの、必要のないものなどを新しい立場で見られるようになって、「ああ、なるほど、そういう考え方もあり得ますね!」と何回も思いました。

▼リュックサックアクティビティの写真

印象が残ったのは、「防災」だけではありません。

今回のイベントでは、先生から防災について学ぶだけでなく、他の出席者の防災の経験を聞き、文化によって必要と思われるものがどのように変わるのかを知ることができると気づきました。アメリカで育った私は、災害時にも、日本の文化に「コミュニティ」や「相互扶助」の概念が深く浸透していることにとても驚きました。

▼共助の写真

議論された重要なコンセプトの1つは、自分の近くに住んでいる他の人々と連絡を取り合い、危険な時に自分が助ける/助けられる人々のサポートネットワークを作ることがいかに必要かということでした。日本語が十分に話せなかったり、仕事以外で人と接触することが許されなかったり、外国人であることで排斥されたりするために、連絡を取ったり、サポートネットワークを作ったりすることができない外国人が、今日、日本にどれほど多く住んでいるかということを考えさせられたのです。このような問題があるからこそ、「やさしい日本語」が生まれて、ここ数年、SDGsやダイバーシティへの関心の高まりとともに、日本に住む外国人のためのサポートホットラインやセンター、ネットワークの数が増え続けています。特別な食生活に対応した食品も増えてきました。災害用の非常用レトルト食品でもハラル対応のものや、日本の伝統的な主食とは異なるものもありました。やはり、災害時の不安の中で、少しでも身近なものがあれば、少しでも安心できるのではないかと思いました。

結論

私が感銘を受けたのは、イベントの決まった内容だけではありませんでした。日本語をうまく話せない方が出席したため、通訳してくれたスタッフがいました。先生が直接外国人の出席者に手を伸ばし交流して、意見を聞いてくださいました。日本語を母国語とする人だけでなく、けれども外国人の参加者だけでなく、みんなの意見が大切だと感じました。

今回のイベントで学んだのは防災の仕組みだけでなく、相互協力の大切さ、さらにはダイバーシティの大切さを感じました。災害の時でなくても、人々は互いに手を伸ばして、助け合うべきです。誰一人残さないために。

▼誰も取り残さない写真

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